ドライアイの検査
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今日は少しドライアイの検査について書いてみます。
まずは紙をはさむ検査です。具体的にはシルマー1法(シルマー検査)といいますが、見て分かる通り眼球とまぶたの間に紙をはさんで涙の分泌量を調べます。自分の外来では麻酔薬をしない通常の方法で行っていますが、麻酔薬の目薬を使って行う方法というのもあります。患者さんにとっては痛くてつらい検査で、麻酔薬を使った方が楽なのですが、この検査の意味は刺激性の分泌能力がどれだけあるかということを調べることにあります。つまり紙をはさんだ刺激(痛み)によってどれだけ分泌されるかを調べています。
次にフルオレセイン染色検査です。これは目の表面にフルオレセインという色素を入れて目の表面を観察する方法です。これで涙の安定性や、目の表面の傷を調べます。下の写真は涙の安定性が悪いかたの写真ですが、ドライスポットという黒い部分は涙が眼表面から無くなっている部分です。右の写真はドライアイで角膜に傷が出来ている状態です。
次の検査も染め物系です。ローズベンガル染色といいますが、これは眼球表面を覆っているムチンの状態を調べる検査で、このムチンがしっかりあると涙の安定性が良くなり目が乾きにくくなります。この写真の方は目の露出している部分だけピンク色に染まっているのが分かります。
次の検査はマイボーム腺の検査です。涙と一言で言っても水分、ムチン、油などの重要な成分があります。マイボーム腺はその中で油の成分を分泌している場所でまぶたのきわに出口があります。油成分は涙の一番表層にあって涙を蒸発しにくくする働きがあります。下の写真はマイボグラフィーといってマイボーム腺の状態を調べる検査です。