プレミアムIOL(眼内レンズ)
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今回の学会でもよく聞かれる言葉が、プレミアムIOL(眼内レンズ)という言葉です。
白内障手術の際に挿入する従来の眼内レンズは単焦点レンズですが、最近はもう少し付加価値を持たせたレンズが登場しています。まず多焦点眼内レンズです。これは当院でも数多く手がけており、すでに今年の5月より当院で多焦点眼内レンズ挿入術が、先進医療として行えるようになっています。今までは全て自費診療でしたが承認により、「多焦点眼内レンズ」を用いる白内障治療の基礎的部分の費用が保険給付対象になり、治療費は約二割軽減できます。今回の学会でも多くの多焦点眼内レンズの発表がありましたが、我々は特に多焦点眼内レンズの夜間視機能に的を絞って研究を進めており、最終的にどのレンズがどのような患者さんに最適なのかということが分かればいいなあと思っています。
もう一つのプレミアムIOLはもうすぐ発売になる乱視つき眼内レンズです。今までは、近視、遠視のみしか矯正できませんでしたが、ついに乱視も眼内レンズで矯正できる時代になってきました。具体的には、今まで白内障手術後は水晶体を摘出した後に乱視が元々ある方だと、術後は眼鏡で調整する必要がありましたがその必要が少なくなるわけです。それは患者さんの裸眼視力がよくなることを意味しています。でも院長は最近老眼年齢になってきて、乱視があってよかったとむしろ言っているぐらいで、近くを見ることにとっては乱視があったほうがいい場合もあります。このため患者さんによって合う、合わないということがあるので、我々のような眼科医が今後は今まで以上に患者さんとよく話し合って眼内レンズの種類を決めていく必要があると実感しました。