重症アレルギー
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主に10代に多い病気で、大人で発症することは少ないです。原因はハウスダストやダニと言われていますが、まぶたをめくるとこのように特徴的なぼつぼつができてきます。(これは専門用語で乳頭といいます)
これだけならまだいいんですが、このぼつぼつから組織障害性のタンパク質が分泌されて、ぼつぼつが接触している部分の角膜が悪くなってきます。この写真は染色して角膜の傷を調べているところですが、表面がさざ波だっているような様子が分かると思います。
これがひどくなると潰瘍になってきます。この写真の方は1週間前に診察させていただいた方で、以前から春季カタルで治療していますが、しばらく症状が落ち着いていて診察も3ヶ月おきぐらいに様子を見ていたんですが6月に入ってから少しづつ悪くなってきて来院されました。まだ結膜のぼつぼつがそれほど育っていないのでシクロスポリン、ステロイドの点眼で改善されると思います。しばらく点眼頑張りましょう。
患者さんが10代の子なので、悪化すると学校に行けなくなったりしますので早く治してあげないといけません。以前は抗アレルギー薬とステロイド薬の点眼しかなく、どうしてもこれだけだと悪化してしまう場合が多く、そのような場合はこのぼつぼつを外来で切除するような処置をよくしていました。最近はシクロスポリンとタクロリムスという免疫抑制薬の点眼が発売され、切除しなくても目薬だけでかなり改善できるようになりました。
(写真の使用に関しては全て患者さんの同意を得て使用しております)