肉芽(にくげ)というのは、涙点プラグを挿入していた部分の組織がプラグの刺激によって盛り上がってくるものです。以前涙点プラグの治験に関わったことがありますが、プラグのデザインというのは脱落と肉芽形成のバランスが問題となります。すなわち脱落しやすいプラグは肉芽はあまり作りませんが、脱落しにくいプラグは肉芽を作ることが多くなってきます。
肉芽ができると、プラグが飛び出してきたり、場合によっては外れたりします。プラグが飛び出してしまうと、異物感が起こることもあります。プラグが外れてしまった場合は、肉芽によって閉鎖していればプラグをしているのと同じ効果が得られるので、再度プラグを挿入しなくても涙が潤っているので問題無いのですが、肉芽ができて涙が鼻腔へ流れるようになってしまうとプラグが入らず、ドライアイも悪化するという状態に陥ることもあります。そのような場合は肉芽を切ってプラグを再挿入することや外科的に涙点を閉鎖する手術をすることもあります。
また一時期はドライアイがひどくプラグが必要でしたが、改善してきて涙が多くて困るという場合があります。プラグが入っていれば、単に除去すればいいのですが、肉芽で閉鎖している場合は手術で肉芽をとることが必要になります。最近はこのような複雑な方の紹介が増えてちょくちょく手術をしています。涙点プラグのトラブルでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。